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質問者4:面白いお話をありがとうございました。
わたしは病院で医者として働いているんですけれど、お二人の人に対する見方がすごく面白くて。病院って、本当に機械と一緒で全く四角な空間で、これはどうにもならないのかといつも思うんですけれど。お二人が病院という空間におけるデザインに何かご意見がおありでしたら伺いたいのですが。
勝:はい、ありがとうございます。
深澤:すごい飛んだ質問ですね(笑)。
勝:全く違う方面から質問が来ました(笑)。
深澤:5年ぐらい前に、急におなかを壊して病院に運ばれたことがあるんですよね。大した病気じゃなかったんですが、急性腸炎みたいな感じになって。運ばれたときに注射を打たれて、少し寝ていれば治るからと言われたときに、貧乏性というか、そういうときでもデザインのことを考えてるんですよね。
勝:(笑)。
深澤:で、見たら、ああそうかと。病室っていうのは天井が一番重要だと思ったんですよね。
勝:ああ。
深澤:ずっと上を見ているんですよね、1時間ぐらい。そうすると、ほとんど汚いんですよ。カーテンレールとかいろいろ全部が。やっぱり、病気をした人のマインドが見ている視点みたいなものがあるなと。難しいと思うんですよね。あまり普通の生活っぽくし過ぎちゃうと安心できなるかもしれない。病院っぽいというのが重要だったりする。そこのバランスですよね。
もう一ついうと、リハビリテーションをやる人で、作業療法士っていう人に最近は凝っていて。例えば、半身不随になった人をどういうふうに治すかというとき、プログラムしてそのリハビリの場所でやるんじゃなくて、プログラミングは、例えばドアをちょっと開けてそこを通ったり、テーブルの下をくぐり抜けてくださいみたいな、そういうプログラムをするんですって。そうすると、たちどころに治るっていわれているんです。
それはなぜかというと、自分が治そうとして別のことをコントロールするんじゃなくて、かつてスムーズにやってきたことを、自分だということを忘れさせてそこを通過させると、体にあるものが思い出されるんですって。そうすると(リハビリを)一生懸命やるよりは治ったりするんだと言ってたことがあって。たぶん病院を作るときって、こういう人がいたら、そこの階段をいつも歩いているとなんか治ってきたなっていう感じを仕掛けるということも結構あるかなって思います。
タナカ:病院らしいってことはすごく重要だと、実は思いますね。ただ、先ほど深澤さんが言っていた話でいうと、そういうふうなことがあってもっていうね。例えばリハビリテーションしていてつらくて大変そうっていうことが、もしかしたら空間がすごく魅力的に見えていたりすることで積極的になれるとか。そういう意味では、僕が見ているのは、気分みたいなものまでもちゃんとしてあげたらなと思う。例えば、建築としてどうなのかとか。プロダクトとしてどうなのかとか。マシンとして見てどうか。病院らしさみたいなことがあった上での、そこに流れる空気みたいなものとか。温度とか。光とか。もしかしたら気分をデザインするみたいなこと。もうちょっと空気みたいなかたちをどうデザインするかっていうのはあるかな、やっぱりね。まず気が重くなるのはなぜなんだろうとかね。なんかいろいろありますよね(笑)。
深澤:(笑)。
タナカ:でもそれが光なのか音なのか、例えば臭いや色なのか、たぶんあると思うんですよ。そこはすごいあると思うな。見た目として、例えば制服を変えるとか、壁の色を変えるっていうことだけじゃなくて、もっとちゃんとしたところで、空気みたいなかたちとか、ムードみたいなものとか。それをどうデザインするかっていうのがあると思うし。そういうことを、正しい判断でしたいなと思うんです。ただ単に楽しくしたら病院らしくならないということもあるかもしれないから、そういうことも含めてということですね。
深澤:そうですね。
タナカ:今の話で重要なのは、病院らしくというのも実は必要だということを間違えないで、でもその空気をもうちょっと作っていけるということがデザインしていけるといいなと。ちょっと抽象的ですけれど、そう思います。