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深澤:んー、僕自身、もともと工業デザイナーとしては割とちっちゃくて、精密なもの、まぁ最初は時計のデザイナーだったんで。そういうこと自体から始めているんで、割とスムーズですけれどね。ただ、これは使う側というよりは作る側の話かもしれないけど、こういった未来的なもので細かくて、作り上げていくっていう日本人気質というか、プライドみたいなものが、インダストリーというか、日本にはすごい根強くあって。それを達成しないといけないんですよね。だから、どうしてこんなことができるのみたいなことは、それぞれの開発する人たちのプライドがものすごくあるんですよ。そのパワーは、受け止める側より全然高いと思うんです。
そういうものをさらにすくい上げて、まぁ難しくするっていうとおかしいけど、彼らの目標にしてあげないといけないっていうところはあって。
ある意味、こういうところでしゃべっているとどうしてもお客さん寄りの側から作っているっていう感じがするかもしれないけれど、どちらかというと、作るときは、精緻で小さなものを積み上げる技術をなんとか盛り上げないといけないという、エンジニア側の立場のほうが圧倒的に強いですね。
タナカ:そうね。そういう意味では、スペースシャトルのデザインはアメリカとかがやるけれど、本当にこういう小さなものって、極端にいえば日本が盛り上げていかないとやっぱり面白くならないんですよね。それこそ、ワールドワイドに見てもね。
深澤:そういうことね。
タナカ:だから、深澤さんがたぶんイタリアのデザイナーとかといろいろやっていても、やっぱりすごい興味を持っていくのって、こういうとこじゃないですか。
タナカ:そうですね。昔は機能性みたいな形だけで、それがうまくひもといていればよかったんだけど、そういうことよりはもうちょっと人がどう感じるとか、どういうふうに体が例えばリラックスできるかとか、極端にいえばさっき言ったみたいに、なじむ、みたいなものとかそういうところまで、もうちょっと皮膚感まで要求される。昔は、機能がよかった、使い勝手がよかった、とかだったけど、多分もっともっとそういうことよりは、デザインが今まで持っていた20世紀のモダンなころにやっていた機能的なものの合理性だけじゃなくて、もっと身体というか。さっきのインとかアウトみたいなね。みんなが求めた無意識のものとか。もっとフィットするものとか。そういうかたちになってきたから、デザインの在り方も変わっちゃったかもしれないですね。
深澤:全然変わっていると思いますよ。ガジェットとして目立たなきゃいけないものという時代も結構あって。モノ系というのはやっぱりそうで、その人のセンスに関係なく、何か新しいものに飛び付いて、それを持ってさえいればっていう願望、希望をかなえるものもあったんだけど、今はモノが目立たないで、それを持っている人が「あぁ、センスいいじゃん」みたいなところを作らなきゃいけないところなんで。そこにガジェットが行きすぎると、携帯電話って機能はまだガジェットっぽいんだけども、そこまで入っていかないと落ち着いていかないんですよね。モノが目立ちすぎちゃいけないというのは確かにあって、その落としどころが意外と難しいんですよね。