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深澤:カラ自信は絶対にダメ(笑)。軸がないから。
勝:自分の中でやはり裏付けとなるものでないと。
深澤:揺れてるってことは軸があるから。あるとき変なほうに振れちゃいけない。揺れを止めて最後の一本を目指すわけだから、ある程度、核心に向かって行ってるということ。それはそんなにパチッとうまく行くわけないんだけど。やっぱり、それを収束していくという、そのプロセスは見えないといけない。
勝:その、核心となるものの元になっている感覚ってどういうものなんですか。なにかご自分の中のいろいろな幼少体験とか。
深澤:みんなが期待している形ですね。
勝:みんなが期待している形?
深澤:期待っていうとおかしいな。期待っていうのは分からないんですよね。でも面白いんですよ。だいたいこれだけ商品作っている国だから、作る側はお客さんが一番知っていると思っちゃってるんですよ。だから、できる前に(お客さんに)聞いたりするんですよ。あなたはどんなのが一番欲しいですかって。これからはこういうデザインですよね、みたいに聞くんですよ。すると、聞かれたほうは「分かんない」なんてなかなか強く言えないんですよ。こんなもんかなみたいなことを言っちゃうでしょ。そうすると、それがうその情報になる。それを作ると失敗するんですよ。
タナカ:うん。
勝:ええ、ありますよね。
深澤:逆に言ったら、そういうこと聞いても全然分かんないのに、こんな感じですかっていいデザインが出たときになると「それだ、それだ」って言うんですよ。その前兆がないにもかかわらず、それだって言えるってことなんですよ。
勝:ああ。
深澤:だから、ある程度これを出しているエレメントっていうのは、全部実在してたっていう現実感が来ないと、絶対うそっぽくなるんです。ちょっと難しいですけれど。
勝:どこかでは触れてて、どこかでは感じているものがまずあるということですか。
深澤:それはものすごい破片なんですよ。全ての生活の中にある破片なんです。
勝:破片なんですね。
深澤:その一個でもうそがあると、完成しないんです。それは、その一個は体験していなくてもほかの破片から導き出されてくるように予測はできるんですけどね。ちょっと難しくなってきたな(笑)。
勝:すごいことが深澤さんの脳の中では起きてるんですね(笑)。