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深澤:でも、もう携帯電話のモノ自体が新しいとか、デザインがいいとかっていうところは、時代としては少し越え始めちゃってて。やっぱりある種のカルチャーを作っていくというところに入り込んでいる感じがするんですよ。で、機能もかなりこなれてきているというか、携帯電話というよりはコミュニケーションの中核になるんですよね。そうなってきたときにはもう、文化やカルチャーをどうやって作っていくかみたいなところにどうしても行きがちで。
実はもうプロトタイプは1年も前に発表してて。それが今出ているということは、これだけのスピードで商品開発するのに、1年のブランクってとんでもないことなんだけど、それを引っ張っていけるだけの盛り上げというか、コミュニケーションの作り込みというのがあるんですよね。それが文化になっていくということだと思うから、INFOBARが牽引しているのはそれだけでなくて、今はこういう風にね(牽引している)。
だから、タナカさんと一緒にやろうと言ったのも、実はそういう感じがあって。僕が想像できないところまで引っ張ってやってみてくださいよ、みたいな。すごい幸せなんですよ、こういうのって。アートディレクターというか、監督を自分から依頼してもいいよって言われて。誰がいいか言わせてくれるんで、だったらこんな感じかなっていう(笑)。で、タナカさんになったんです。僕としては、こうやりましょうよとかは実は言ってなくて、これはもうお預けして任しているところがあるんですよ。自分とは全然違うところで出来上がってくる文化をちょっと傍観しているというか。すごく待ち望んでいるというか。
タナカ:そうやって言うと聞こえがいいんですけれど、実は意外と深澤さんはすごく過激なんですよ。
深澤:(笑)。
勝:(笑)。
勝:謝罪広告ね。
タナカ:そう。謝罪広告。ああいう、発想とか関係なくみんながびっくりするようなことっていいよねとかって言う。すごいことを要求されているなってやっぱり思いますよね(笑)。
深澤さんのすごく面白いところって、話していていつも思うんですけれど、デザインとしてものすごくまじめに考えているところと、そういうジャンプしているところの、その頭の中がすごく面白いね。
普通は、まじめに考えていくとまじめにデザインする。そうするとデザインのためのデザインとか、いわゆる、「これがデザインでございます」みたいな感じで、ある種のミニマリストだったりするわけです。合理性とミニマルみたいな感じになってて。しゃべり方もミニマルになっていったりするんだけど。頭が相当狂っているんですよ(笑)。
深澤:(笑)。
タナカ:そこがやっぱり面白い。やっていることはすっごいミニマルだし、形を追究する感じがあるんですけれど。そこに出てきている発想が、今のカジュアルな、人がごく普通に思っていることを同じように思わず、変な視点で見ていて、すごい過激なんですね。発想が変っていうよりは、見方がすごいあったりとか。
あと、こういうことをやるとこういうふうにしなきゃいけないっていうルールがやっぱり去勢されてないんですよ、デザイン教育の中での。普通はこういうことをやるとシンプルな形で考えようということで、シンプルなものが好みだったりするんだけど、すごく変で過激なモノが、人ってこういうことなんじゃないのって思っていたりするのと、シンプルな形の世界を大胆につなげていくという頭の中が。そこがやっぱり面白いんですよね。
だから、要求は厳しいですよ、そういう意味では(笑)。