深澤直人 x タナカ ノリユキ スペシャルトークショー photo
タナカ:(INFOBAR 2は)今までの流行っている四角いケータイのカラーバリエーションやグラフィックを変えていくということとは明らかに違うということで、これはもう今までの文脈とは違ったコミュニケーションにしようっていうのはすぐに決まった。

深澤:うんうん。

タナカ:具体的にどう思ったかというと。

:ええ。

タナカ:それで僕が思ったのは、いわゆるミュージアムピースみたいな、なんかこう、ちょっと襟を正したアンビエントミュージックかなんかでバーッと出てきて、「デザインケータイ、出ました!」みたいな感じのはもう辞めようと思ったんですね。

深澤:ああ。

タナカ:それで、まず音が重要と思って、サウンドデザインやSEにするよりも、もっと皆に愛されてかつ、単にBGMにならず、世界観を表現する音楽を決めようかなって思ってて。ちょっと(音楽を)かけてもらっていいですか。

深澤:この音楽、良いですよねぇ。

タナカ:この(商品に触ったときの)感覚がわかる音楽ということで。

――音楽が流れる――

深澤:なんか、新しいもので新しいものを作ったって感じがしないですよね、この曲。

タナカ:これをCM音楽で使います。

深澤:楽しみ。

タナカ:まだできてないんですけど、これから流れるCMはこの音楽を(使います)。これピエール・アンリっていう(Pierre Henry)、フランスのそれこそリミックスとか、今のコンピューターの前に出てくる電子音楽をやっていた時代というか。できた音を加工するんじゃなくて、音自体を作っていくという。

例えば電波だったり、周波数を変えていくと音が変わっていくみたいな。いわゆる電子音楽のころですよね。そのピエールがベジャールっていうダンスカンパニーのために作った曲で、ほとんどクレイジーな音なんですけど、唯一これだけがかわいかったっていうぐらいで。この曲だけが(笑)。最近fatboy slimって人がちょっと前にこれのリミックスをしたりしてて。僕もなんか、もう音はこれかなってかなり確信してて。
それは何かっていうと、今の時代のリミックスだったりとか、コンピューターミュージックだったりする前の、音自体をそのまま作っていた電子音楽の時代と、あとはそのときに持っていた未来観みたいなものと、それから、深澤さんのこのケータイが単にデザインケータイというよりももっと肌になじむとか、自分のそばにいるとか、さっき言った懐かしさということでいうと、音でもそういう感じがあるといいなって思ってて。

深澤:アトムが歩くとピッピッって音がするとか、そういうのって未来を想像したときに出てくるイメージからきてると思うんです。このINFOBAR、特にシルバーのものはなんかちょっと生っぽいというか、実は昔の漫画で描かれたものが将来的にそのままの形になるのってあんまりないんですよ。もっと違う変化した形になってくるんだけど、それがそのまま出てきたっていう感じと、今の音楽が結構同調している感じがするんだけど、そこがたぶん驚きっていうか。その“生”は絶対に本物にはなっていかないはずが本物になっているからすごくマジカルに感じる。さっき言ったように、本当は薄くなきゃいけないところを厚くしているのに、でも触ってみると極端に薄かったりするんです。
だから、夢を描くためにさらにもう一歩、実は中が進んでいるっていうところがあって。それは不思議なプロダクトじゃないかなと思うんですよ。

タナカ:今まではやっぱりアニメとかでしかできなかったものがね、技術的なものもそうですが・・・、あと、意志をすごく感じるんですよね。やっぱり、四角いケータイや二つ折りがほとんど主流なときに、深澤さんのINFOBARの1と2が出た。INFOBAR1がほとんどのデザインケータイのパイオニア的な存在だったわけじゃないですか。

:そうですよね。


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