森本千絵 x 坂本美雨 x 森本美絵スペシャルトークショー photo
司会:さあそれでは本日のゲストのご紹介をします。
デザイン、音楽、写真、それぞれ違ったフィールドで活躍されているこの3人が今回のコンセプトモデル「sorato」では、坂本さんは声で、森本美絵さんは写真でそれぞれ制作に携わり、夢のコラボレーションが実現しました。さあ一体どんなお話が聞けるのでしょうか。

森本(千):森本千絵です。こんにちは。よろしくお願いします。森本美絵さんという名前が一文字だけ違うカメラマンの写真に触れることがあって、一緒に仕事をして、名前をぜひ並べて、いつか並んでトークショーもやってみたいという夢がやっと今日かなっているんですけど、私のほうが千絵で、こちらさんが、

森本(美):美絵です。

坂本:美雨です。


コミュニケーションの観点から作るケータイ

森本(千):プロダクトデザインを手掛けたのは生まれて初めてで、「わたしにとって携帯電話って何なんだろう」というところから始めたんですけれども、もう肌身離さずというかずっと持っているもので、人とつながっていられるもの、だけどよくよく考えたら使う分には便利なんですけれども、使わないときは固まった石というか、何もそこに情緒がなかったりして。下を向いてずっとメールとかをやってるときに、もしこうやって下を向いていても空を見上げるような気持ちになれたらどうなんだろうとか、机の上に置きっ放しでも何か訴えかけてくるものがある携帯電話があったらどうなんだろうと、そういうことを考え始めたら、側のデザインという部分よりは、中身のインターフェースのほうに興味が出てきていて、今回は2機種コンセプトモデルを発表しています。

photoまずは「sorato」のほうなんですけど、これは今ある空が映る携帯電話になっていて、手のひらの上で晴れたりとか、雨が降ったりとか、天気とライブでリンクしていて、夜になったら暗くなったり、夜が明けたら明るくなったりとかそういった割と生き物的な、すごい技術を積み重ねた結果一番人間にとって自然な形になるという意味でのデザインの携帯を作りました。あと、携帯電話って遠くにいる人とつながることができるから、遠くにいる人の空が映ることで、その人と言葉だけじゃない視覚でコミュニケーションができたりとか、そういうことも考えて作りました。

photoもう一つ、「ヒトカ」という携帯のほうは、名前のとおり人化していて「090……」とかボタンとかも全部人が動かしてくれたりとか、電話帳を調べたりとかもいちいち忘れかけていた面倒くさい行為を全部人間が中でやっているという、もしかしたら使っていたらいらいらしてしまうかもしれない。(笑)割と人の体温、実際に何か生きてないであろう機能の部分に命を与えたらどうなるんだろうというところから考えてデザインしたものです。

司会:なるほど、では3人がコラボレートしたsoratoについて詳しくお話しいただけますか。

森本(千):まず、空の企画ができたときに、人と共有するうちにどんどん日が進むにつれて楽しくなってきて、KDDIさんと打ち合わせをすればするほどだんだんリアルになっていくというか、本当に空が自分に近づいてくる感じがして。
それで、映像と音楽のコラボレーションで活躍されている高木正勝さんというアーティストの方と、美雨ちゃんのことがずっと頭の中にあって、それで高木正勝さんにその話をしたら、実験的に一緒にやっていただけるという形になって。せっかくこういう空がライブで映っていくコンセプトの携帯だから、「じゃあこの音楽を作ってくださいね」「何分ものですよ」というやり方じゃなくて、作り方も出会った日から展示に向けて起こる天気を実際にライブで感じて、それを面白い形で作っていこうと。それでぜひ坂本美雨さんの声も一つの音のように、一つの景色のような素材として一緒に作っていこうじゃないかということになったんですね。

坂本:そうですね。高木さんとは一つしか年は違わないんですけどおじいちゃんみたいな中身の人で、救いの言葉をたくさんくれたんです。ふっと何でもないことのようにものすごく大切なことを教えてくれたりとかして。ICレコーダーで何でもいいから歩きながら思い付いた言葉とかメロディーとか、ただの声そのもの、ルルルでもメロディーになってなくても何でもいいから、とにかく録ってどんどんメールでくださいと言われて、「はあ」と。


Pages | 1 | 2 | 3 | トークショー一覧へ戻る |