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猪子:(笑)。

坂井:では、早速ですが、今回のインターフェースのコンセプトからお話しいただけますか。
猪子:携帯って、今インターフェースを革新するとすごく面白くなるんじゃないかと感じていて、それで今回のコンセプトモデルのようなものを前から考えてたんですね。
で、iPhoneが出て、あれを見て結構ショックで。ただ、インターフェースの革新が結構、西洋的だなと思ったんですね。
坂井:どういう意味?
猪子:目的のためにすごい最適化されているなと思って、すごい格好いいんだけど、すごい直球、みたいな。僕らはもっと全然違う考え方でインターフェースを革新できるんじゃないかなと。
坂井:要するに直球というのは、合理的に効率的に作ってあると。
猪子:そうですね。本来インターフェースは目的を達成するためにあるもので、たとえばメールを打つにしても、誰かに何かを伝えることが目的で、メールを打つ行為自体はしようがなくやっていることじゃないですか。そこを何とかできないかなぁって思ったんですね。
坂井:つまり違うインストラクションの関係?
猪子:いや、操作していることそのものが面白くなればいいなと。行為そのものを消費しちゃうというのは、日本人はすごい得意だと思うんですね。100年ぐらい前に書かれた『茶の本』というのがあって、イギリスの茶と中国の茶と日本の茶の3章で、日本以外の章は基本的にはおいしく飲むためにどうしたらいいかということが書かれてる。最後の章で日本の茶というコーナーが始まるんだけど、そこの冒頭で「日本の茶はおかしい、本来、お茶はおいしく飲むために入れるのに、その目的すら忘れている」みたいな、茶を入れるという行為そのもののみに意味があり過ぎて・・・
坂井:儀式というかね。
坂井:知っています。
猪子:マリオを作った宮本さんが言っていたらしいんですけど、マリオを作るときに「マリオを操作しているだけで楽しいものを作りたい」みたいなことを言っていて。
坂井:なるほど。
猪子:行為そのものだけで楽しいってすごい面白いなと。そういうのをインターフェースの中に入れたいなと思ったんです。
坂井:それが「actface」だと。
猪子:そう。

坂井:では、プロダクトの話に行きます。どういう素材感なのか、形なのか、どういうインターフェースなのか。
猪子:プロダクトは今回取りあえず画面だらけにしたくて、基本的には表も中側も全部画面みたいなものにしたくて、
坂井:光っていてね。物ではないように見える。
猪子:そうですね。素材もすごい軟らかくて、光が後ろからあふれるようになっていて、物としての境界線がすごいあいまいな物を作りたかったんですね。光の塊みたいなものを握っているような物を作りたいなと思って作ったんですね。
実際タッチパネルを考えているんですけど、タッチパネルっていちいち目で確認してボタンを押さなくちゃいけなくて、すごい論理的というか、左脳的じゃないですか。
坂井:そうそう、あまり良くないよね。