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坂井:要するにこれはスクリーンの中にボタンがあると考えていいよね。
猪子:そうですね。それで透明の本当に実際に押せるボタンみたいなものを配置したんです。液晶にすることでそのシーンによってボタンの機能が変わるので、それがシーンごとにちゃんと分かりやすくなるように。

坂井:では、まず『PLAY』を紹介してもらいましょう。
猪子:『PLAY』というのは、電話をかけるとかメールをするという行為でインターフェースが成長していったら面白いなと思っていて。インターフェースが自分の町みたいな考え方で、
坂井:それはユーザーによって画面が変わるわけだよね。
猪子:そうですね。
坂井:ユーザーの行動によってね。
猪子:たとえば仕事仲間とばかり電話していると町がビルだらけになっていったり、友達とばかり話していると町が森だらけになったり、
坂井:そういうのを見せっこすると面白いわけだな。
猪子:自分の普段の使い方で町が、インターフェースができていくと。その町で普段特別な何か、
坂井:事件が起こる。
猪子:そう。事件もその普段の行為によって事件が起こるような。たとえば電話帳の人の誕生日が来ていたら、12時が来ると花火が出たり・・・。
坂井:そういうのも事件なんだね。
坂井:怒っているわけね。
猪子:せっかく育ってきた町が壊れたりして。これは「不在着信デナインジャー」ですね(笑)。町が世紀末みたいな町になるような。
坂井:画面の中だから許されると。
猪子:そういう自分の普段使っている行為とインターフェースがつながっていて、同じ携帯を持っている人とすれ違うとすれ違った人が自分の町に遊びに来て、コミュニケーションを取れたりもする。
坂井:アンテナも3本立つけど。
猪子:町を見るだけで今の携帯の状況がすぐ分かるというような。たとえば電池が満タンだったりするとみんな超元気だったりして、元気過ぎみたいな。それで電池がなくなっていると、もう…ノ、ちょっとドーパミンが足りないみたいというような。自分の行為で町がつくられていく。

坂井:そして、『Rhythm』。これは3Dの水墨画だよね。
猪子:そうですね。水墨とか書はすごいリズミカルなものだなと思っていてこのクリエイティブを選んだんだけど、ちなみにこれは流体のアルゴリズムを使っていて、コーヒーの中にミルクを入れるとミルクがちょっと溶けるじゃないですか、それを計算して。それを実際にコンピューターがシミュレーションしているところですね。
坂井:かっこいいね。